親の死後、実家が空き家に!管理・活用・売却・放棄の4対策を紹介

少子化、核家族化が進むなか問題視されている「実家の空き家問題」。継ぐ人がいない家は、放置すれば湿気や害虫、ほこりなどの影響であっという間に「見るも無残な空き家」に成り果てます。そればかりか日に日に維持費は増え続け、後に残された人々を困らせます。

筆者もちょうど今、親の生前から「空き家問題」に取り組んでいる所ですが、全貌を理解して話し合いを終えるまでにかなり時間を要しました。その経験を踏まえ、「空き家問題をどうすべきなのか」その全貌がわかる「空き家の4対策」を一挙ご紹介します!

空き家を「放置する」とこうなる

2018年の総務省『住宅・土地統計調査』によると、空き家数は 848 万9千戸と過去最多となり、 全国の住宅の 13.6%(日本の家の7軒に1軒が空き家)となっています。空き家は賃貸用、売却用、別荘などありますが、中でも「誰も住まずにそのままにされている空き家」が問題視されています。
空き家を「放置する」とどのような事が起こるのでしょうか?

・家の一部(屋根や壁、伸びきった植栽等)が近隣住民や通行人に損害を与えて訴えられる
・景観を損ねる(雑草などが荒れ放題)という苦情が来る可能性がある
・空き家が放火されたり、犯罪に利用されたりする可能性もある など

空き家を「放置する」と良い事は起きません。解体費用を請求される可能性があったり、「維持費」の支払いは必須となります。

空き家対策は、相続(管理・活用・売却)or放棄の4つ

実家が空き家に… 一体どうなるのでしょうか? できる対策は4つです。

①相続人となり、管理をしていく
②相続人となり、活用する
③相続人となり、売却する
④相続放棄する

ただし、相続人が自分以外にもいる場合は、「どのようにするか」を全員で話し合って決めなければなりません。
また④相続放棄する場合は、親の死後「3か月以内」には家庭裁判所に申請が必要です。期間がかなり短いので要注意です。

【空き家対策その1:管理する】

《メリット》
・空き家を所有し続けられる
《デメリット》
・維持費の支払いが続く
・収入が生まれない

◎こんな方にオススメ!◎
・今の所住む人はいないが、将来的には誰かが住むかもしれない場合

必要となる5つの「維持費」

大きさや条件により異なりますが、空き家維持費の目安は、年間で「約30~50万円」程です。

1. 固定資産税
毎年1月1日時点で空き家の持ち主である人が支払うべき税金で、税額は以下のように決まります。
「固定資産税」=「空き家の評価額」× 1.4%
 ただし「土地が200㎡以下の小規模住宅用地で、家が建っている場合」は、
上記の6分の1まで減額してもらえる制度があります多くの空き家はこれに当てはまり減額されます。

家がある場合はこのように得しますが、家を取り壊し更地にするとこの制度が効かなくなり税額は大きくUPします。

2. 都市計画税
家が「市街化区域内」にある場合に、その土地と家屋にかかる税で、税額は以下のように決まります。
「都市計画税」=「空き家・土地の評価額」× 上限0.3%
また、固定資産税と同じく「土地が200㎡以下の小規模住宅用地で、家が建っている場合」は、
上記の3分の1まで減額
してもらえる制度があります

3. 修繕費用
家は日に日に状況が悪くなり、様々な問題を引き起こします。また解体費の支払い・税額UPが予想されます。そうならない為の定期的な修繕費用は欠かせません。

4. 火災保険
もしもの火災や自然災害のリスクを考え、加入しておいた方がよいでしょう。もし隣の家に被害があれば、賠償金を支払わなければいけません。

5. 水道光熱費
例え定期メンテナンス時だけ水道や電気を使うとしても、毎月の基本使用料は必要となります。

現状のまま管理する

定期的に空き家に訪れては、以下のようなメンテナンスが必要です。

・家や敷地内の見回り
・ポストの確認、付近の清掃
・庭の草抜き
・窓を開けて風を通す

もし遠方などで定期的なメンテナンスが難しいという方には、「空き家代行サービス」がおすすめです。月1回5000円~10000円程度が相場です。見回りの回数、やり方によってお得になる場合もあります。
ご参考:www.akiya-akichi.or.jp

更地にして管理する

少なくともおおよそ200万円以上の解体費用が必要です。建物管理がなくなり土地管理だけになり、維持費は減りますが、現状管理で説明したように更地にすると固定資産税が約3~4倍UPするのが一番のデメリットです。

固定資産税の負担を和らげるために「土地活用」もおすすめです。
例えば集合住宅を建てると、建物分の固定資産税が追加になりますが、毎月の家賃収入ができるので、その分固定資産税の負担感は減ります。

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【空き家対策その2:活用する】

《メリット》
・物件を手放さずにすむ
・物件に需要があれば、安定した収入が望める
《デメリット》
・貸主として維持費を払い続けなければならない
・入居者0で収入が減らないように管理していく必要がある

◎こんな方にオススメ!◎
空き家に思い入れがある、空き家で少しでも収入を得たいという場合

空き家の活用事例

1.現状のまま「戸建住宅」として賃貸する
2.リフォームを行い、「戸建住宅」として賃貸する
3.新たな需要を掘り起こす活用方法を、不動産会社などに相談する

・宿泊施設
・福祉施設(デイサービス、グループホーム)
・子育て支援施設(保育園や学童など)
・レンタルオフィス

ご参考:www.iju-join.jp/akiyabank

活用するという事は、一種の「不動産投資」です。「不動産投資」に詳しくないという方は、賃貸戸建やリフォームに強い相談先(不動産会社など)を早めに見つける事が大切です。

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【空き家対策その3:売却する】

世間で一番多くの方が選ばれる空き家対策が「売却する」という方法です。
現状のまま売却する方法と、更地にして売却する方法があります。
更地にして売却すると、解体費用や解体時間はかかりますが、「古い空き家付きの土地」より比較的早く、より高く売却できる場合があります。

《メリット》
・管理していく必要がなくなる
・まとまった収入を得られる
・兄弟間で遺産を分ける場合に、現金にして分けられる
《デメリット》
・物件を手放す事になる

◎こんな方にオススメ!◎
管理から解放されたい、まとまった収入を得たい場合

空き家売却の相談先

1.不動産会社
不動産会社の多くは新築戸建をメインに取り扱っており、全ての会社で空き家売買ができるというわけではありません。空き家のある地元に詳しく、空き家売買を得意とする不動産会社がないかインターネット等でチェックしてみましょう。

複数の不動産会社に査定依頼するのがおすすめです。自分の家の相場がわかり、より高く売却できる不動産会社を選ぶ事にもつながります。

この時に、会社やサービスの評判も見ておくと安心です。便利な一括査定サービスなどもありますが、そのサービス系列でしか売却できない「しばり」などがあり、スムーズに売却できないケースもあります。大事な家を売却するのですから、手間を惜しまず信頼のおける地元の会社やサービスの活用を検討しましょう。

2.空き家バンク
全国各地の自治体が行う空き家の紹介制度です。空き家を売りたい所有者から情報を集め、これから空き家を手に入れたいという方に紹介します。ただし運営する自治体は、契約に一切関与しませんので買主との直接交渉が必要となります。
ご参考:www.akiya-athome.jp

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【空き家対策その4:相続放棄する】

親の死後「3ヶ月以内に」家庭裁判所に申請が必要です。

《メリット》
・固定資産税がなくなる
《デメリット》
相続放棄しても「管理責任」が残るので、「維持費」の支払いが続く
・管理責任から逃れたい場合、最終的に国に返す事になるが、その手続きはとても複雑で時間がかかる。
また全て完了するまで代理の管理者へ報酬を払わなければいけない。
相続放棄はすべての財産(貯蓄や他物件などのプラス資産だけでなく、借金などのマイナスの資産も含めて)を放棄する事になる

◎こんな方にオススメ!◎
相続した場合、プラスよりマイナスの影響の方が多大となる場合

相続放棄は慎重に!

相続放棄は、コストがかかるという点でデメリットの方が多くなる場合があります。また相続放棄は財産全てを放棄となる点は特に注意です。空き家だけを手放して、他の財産は引き継ぐという事はできません。逆に多額の借金を引き継ぐ事になってしまうなど、マイナス面の方が大きい場合は検討してみてもいいかもしれません。

相続放棄を検討したい方は状況をよく把握し、まずは弁護士に相談しましょう。しかし、放棄しても国に返還するのは容易ではなく、結局「活用や売却」などを提案されるケースが多いという事もよく覚えておきましょう。

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知っておきたい空き家にまつわる制度

空き家を相続した場合に関係する、さまざまな制度をご紹介します。プラス/マイナスを理解し、上手に活用しましょう。

【プラスに働く制度】

相続等により取得した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除

相続した空き家を、親の死後3年を過ぎた年の12月31日までに売却し、売却利益が3000万円を超えなければ、税金(所得税・住民税など)が0円になるというものです。

《適応条件》

被相続人居住用家屋 相続開始直前に被相続人の居住用家屋であったこと
相続開始直前に被相続人以外の居住者がいなかったこと
昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(区分所有建築物を除く)
土地等 相続開始直前において「被相続人居住用家屋」の敷地の用に供されていた土地等
対象者 相続により「被相続人居住用家屋」及びその敷地の用に供された土地等を取得した個人
適用期間 平成28年4月1日から令和5年12月31日までの譲渡
譲渡期限 相続の時から相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
譲渡対価限度額 譲渡対価の額が1億円を超えるものを除く

このように適応条件はいろいろありますが、売却を考えている場合は、親の死から3年後の年末までに売却した方が有利であると覚えておきましょう。もし将来住む人がいないとわかっていれば、親の生前から話し合いをすすめ、不動産会社等に査定依頼をしておく事をおすすめします。
引用:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

空き家解体補助金制度

空き家を解体する際の補助金をもらえる場合があります。内容も条件も空き家の所在する自治体ごとに異なりますが、およそ解体費用の1/5から1/2程度の補助金がもらえます。この制度の呼び名は自治体により違います。各自治体に一度問い合わせをしてみましょう。

【マイナスに働く制度】

空家等対策の推進に関する特別措置法

「空き家が近隣に迷惑をかける」と自治体が判断した空き家は、それを是正する事が求められるという制度です。この命令に従わない場合、最後は自治体により行政代執行(空き家の解体)が行われます。この際の解体費用は、所有者に請求されてしまいます。

さらに、固定資産税が上がります。そもそも住宅が建っている土地の固定資産税は6分の1に減らされていますが、「迷惑をかける」と判断された空き家はこれが適用されず、税額が上がります。やはり「維持費」をかけての管理は大事です。
引用:国交省「空家等対策の推進に関する特別措置法」

建築基準法の「接道義務」による「再建築不可物件」

建築基準法の「接道義務※」を満たしていない物件を解体して更地にすると、新たに家を建てられないというものです。
※接道義務…「幅員4m以上の道路に2m以上接していない」土地には家を建てることができないというもの
引用:www.home4u.jp

このような物件は、リフォームはできますが建替えや増改築ができない為、売却はかなり難しくなります。物件を活用できる策を考える必要があるでしょう。
《活用方法例》
・接道義務を満たして再構築可能にしてみる
・物件をリフォームして賃貸住宅にしてみる 等

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まとめ:空き家の実家4対策

実家の空き家対策は、以下の4対策です。

①相続人となり、管理をしていく
②相続人となり、活用する
③相続人となり、売却する
④相続放棄する

「相続放棄」はデメリットの方が大きい場合が多く、最終的には「活用・売却」を目指すのが得策と言えます。

そして何より「早め早めの準備」が大切です。親の死後に慌てない、また少しでも空き家を有効活用するために、親の生前から準備をしておく事を強くおすすめします。

・生前から話し合いを始める
・所有不動産の把握、名義の確認、必要であれば名義変更
・売却を希望する場合、早めに賃貸マンションなどへの住み替え等の検討
・親の資産の把握

 

実家の相続は、親が亡くなった後から手を付けると、面倒な事が何倍にも増える可能性かあります。まずはできる事から、徐々に始めましょう。ポイントは、実家が空き家になる前から始めることですね!

また、高齢の親が住まわれている場合、日々の安全やイザという時の見守りをどうするか?の問題もあります。下記記事も参考にしてみて下さい。

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